民科刑事法部会において指導的役割を担ってこられた三人の先生の古稀をお祝いする論文集をご紹介します。
■『村井敏邦先生古稀記念論文集—-人権の刑事法学』(日本評論社、2011年)
村井先生は一橋大学教授、龍谷大学教授などを歴任され、日本刑法学会理事長も務められました。民科会員を含む教え子も多くいます。先生のご研究は、刑法から刑事手続法、少年法、刑罰論、刑事政策に至るまで、幅広い領域に及んでいます。執筆者は先生の教えを受けた人、(元)同僚、共同研究の参加者に限られていますが、皆、特別に力の入った論文を寄稿しています。人権を大切にする論文が続いています。「人権の刑事法学」を発展させた先生の古稀の記念にふさわしいものでしょう。
[本の詳細] http://www.nippyo.co.jp/book/5722.html
■『斉藤豊治先生古稀祝賀論文集—-刑事法理論の探求と発見』(成文堂、2012年)
斉藤先生は甲南大学教授、東北大学教授、大阪商業大学教授などを歴任され、とくに経済刑法、少年法、秘密保護法制の研究などで重要な成果を発表してこられました。最近も、「特定秘密保護法」反対運動において、村井先生ともども、刑事法学者の動きをリードされ、反対運動の理論的支柱となられました。論文テーマはこれも幅広いものですが、先生の学風を反映してか、新しいアクチュアルな問題にチャレンジしたものが多いように思います。
[本の詳細] http://www.seibundoh.co.jp/pub/search/025324.html
■『福井厚先生古稀祝賀論文集—-改革期の刑事法理論』(法律文化社、2013年)
福井先生は法政大学教授、京都女子大学教授などを歴任され、重厚な刑事訴訟法教科書の著者として知られています。本書のサブタイトルは、裁判員制度、公判前整理手続、被疑者国選弁護制度、そして「新時代の刑事司法」改革と、刑事司法がまさに「改革期」にあり、そうであるからこそ精緻かつ一貫性のある理論的探究が必要とされていることを表しています。本書第1部は、先生をリーダーとして進められてきた未決拘禁法の共同研究の成果が集められており、先生が編者となられた『未決拘禁改革の課題と展望』(日本評論社、2009年)とあわせて、未決拘禁法研究の到達点を示すものとなっています。
[本の詳細] http://www.hou-bun.com/cgi-bin/search/detail.cgi?c=ISBN978-4-589-03523-3 (放蕩息子)
[2014年2月14日]