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『安倍政権の医療・介護戦略を問う』(あけび書房、2014年)

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shibata1芝田英昭編著『安倍政権の医療・介護戦略を問う その危険な狙い、そして真の改革への対案』(あけび書房、2014年)

「コンクリートから人へ」のマニフェストを掲げた民主党政権は、そのマニフェストをことごとく反故にしたあげく崩壊、2012年末の第2次安倍政権の発足への足掛かりを与えることとなってしまった。

民主党政権の誕生によって、国民は人にやさしい政治を夢見てもよいのだと思えたのだが、その期待はいともあっさり裏切られた。結局は圧倒的な新自由主義的政策の遂行の流れは止められず、さらに安倍政権は特定秘密保護法と集団的自衛権を解釈改憲で認めることにより軍拡を進めようとしている。結局は一人ひとりを大切にする政治は実現しえないのだと、あきらめさせられようとしているのは皮肉としか言いようがない。

こうした流れの中で、今般の医療・介護制度改革を理解する必要がある。社会保障制度改革は一貫して「改悪」と呼ばれる方向性を指向してきた。本書では、大企業優遇と軍拡、社会保障の捨象=自己責任のさらなる徹底という新自由主義路線に対するひとつの対案を示したものである。すなわち、資本主義の枠内で労働者階級に対する基本的人権としての生存権・生活権を要求するという社会保障の淵源に立ち返り、基本的人権の擁護と公共性を対立軸に据えて、運動的指針となるべく明快に示したつもりである。

編著者の芝田英昭教授は、社会保障は一人ひとりの基本的人権、生存権を保障するものでなくてはならないとする社会保障研究者の一人である。東京にて思いを同じくする研究者や医療・福祉現場において活躍する実務家による研究会を主宰しており、私もご縁があって末席を温めることになった。実は、私が立命館大学法学部の学生時代に先生は産業社会学部の教授であり、講義を受けていたことは、のちに私が告白して先生の知るところとなった。先生は当時から気鋭の研究者であって、臨時定員増のさなか500名を超えるマンモス講義だらけだった巨大教室の隅で講義を拝聴していたことを思い出す。当時にもまして鋭いご高説をこうして近くでお聴きできるのも、何かのご縁なのかなとも思う。(濱畑芳和)

芝田英昭編著『安倍政権の医療・介護戦略を問う その危険な狙い、そして真の改革への対案』(あけび書房、2014年)
[あけび書房のHPにリンクします]

(2014年7月10日掲載)

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